【書評】GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代/アダム・グラント著,楠木建監訳【ちいかわとの比較】

2024/10/12

書評

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【書評】GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代/アダム・グラント著,楠木建監訳【ちいかわとの比較】




こんにちは。
ちい爺です。

「GIVE & TAKE」という本を読みました。
YouTubeでも取り上げられることが多いので、ご存じの方も多いかと思います。


本書の結論からお伝えしますと、
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与える人こそ成功します。


本書のタイトルにも書かれている通り、与える人こそ成功するよ(=情けは人のためならず)ということが380ページにわたって説明されています。

素晴らしい書籍であることは承知していますが、登場人物がみな外国人で、どこで育ち、どこの大学出身で、どこどこ社に勤めているとかの情報がたくさん出てきます。
カタカナでなじみのない名前なので、今だれのなんの話題だっけ?と途中でページをいったりきたりしたので、スムーズに読み進めることができませんでした。

そこで、ちいかわキャラクターに置き換えるとわかりやすいのではないかと思い、「GIVE & TAKE」とちいかわを照らし合わせながら本書を解説したいと思います。

人の考え方や行動はギバー、テイカー、マッチャーにわけられる

本書では、人の考え方や行動を
  1. ギバー(Giver):人に惜しみなく与える人
  2. テイカー(Taker):真っ先に自分の利益を優先させる人
  3. マッチャー(Matcher):損得のバランスを考える人

の3つに分けています。

point

この3者は「ギブアンドテイク」にいたる道筋がぜんぜん違っています。

どのような目的で与える(ギブする)のか。
もらうこと(テイク)をどのように考えているのか。

次に、それぞれがどのような目的でギブアンドテイクするのか、どのように考えているのかを見ていきます。

ギブアンドテイクの目的と考え方


ギブアンドテイクといえば、マッチャーの考え方が普通です。
もらったら返す。
与えたら見返りを期待する。
もらいっぱなしも嫌だし、与えっぱなしも嫌になります。
マッチャーはギブアンドテイクをバランスよく行います。

一方、テイカーであっても、もらってばかりではなく人に与えることがあります。
ですが、目的はあくまでもらうこと。
常に自分を中心に考えて、自分の利益のために与えます。

ギバーはまず与えます。
与えることが目的。
相手のことを中心に考え、見返りを期待しません。
見返りを期待してはいないのに、お返しがもらえることがあります。

このようにどの分類であっても、少なからずギブアンドテイクをしています。
ギブのためにギブするのか。
テイクのためにギブするのか。
ギブとテイクのバランスをとろうとするのか。
ギバー、テイカー、マッチャーでは、ギブにいたる目的がちがいます。

もっとも成功するのはギバー、もっとも成功しないのもギバー

著者の調査によると、もっとも成功できるのはギバー、もっとも成功できないのもギバーであるということです。

エンジニア

  • もっとも生産性が低く効率が悪い;ギバー
  • もっとも生産性が高い;ギバー
生産性が低く効率の悪いギバーは、ほかの人の仕事を手伝っているせいで、自分の仕事が終わらないのです。

医学生

  • もっとも成績が低い;ギバー
  • もっとも成績が高い;ギバー
成績の低いギバーは、人の勉強を手伝い、テストで不利になるかもしれないのに自分の知識を分け与えるので成績が低くなってしまいます。

販売員

  • もっとも売り上げが悪い;ギバー
  • 売り上げがトップ;ギバー
売り上げの悪いギバーは、お客さんに強引に売りつけることはしないので、売り上げが悪くなってしまいます。

成功からほど遠い3つのギバーの共通点は、「自分を犠牲にしている」こと。
このように自分を犠牲にして与えるタイプのギバーは、成功からほど遠くなってしまうのです。

では、成功できるギバーは、自己犠牲のギバーと何が違うのでしょうか。

成功するギバーは他者志向

他者志向とは読んで字のごとく、「他者のため」という意識のこと。

本書では自己犠牲と他者志向を比べていますが、本来であれば他者志向の反対は自己志向といいます。
  • 他者のため ⇔ 自分のため

わたしにとって、本書を読んでいて理解が難しかった言葉が、この「他者志向」です。
自己犠牲も言ってしまえば、他者のため。

ここで一度、他者志向という言葉を論文で調べます。
他者志向的達成動機という言葉の定義が以下の論文にのっていました。

出典:伊藤忠弘:成人期の他者志向的達成動機への態度,PhD Thesis. Gakushuin University. 2022

他者志向的達成動機は、他者の期待に応えようとして、あるいは周囲の応援やサポートに対する「恩返し」を意識して、個人としての達成に向けて努力する動機づけである。
出典より引用

他者志向とは「他者のために自分の達成(成功)に向けて努力すること」であるということがわかります。
つまり、両者ともに「Win - Win」を目指すということです。

  • 相手も勝つが、自分も勝つ。
  • 相手も得をするが、自分も得をする。

相手を勝たせるために、自分が負けることがあってはなりません。
point

ギバーが成功するためには、「Win - Win」になるように意識することが重要です。


どうすれば「Win - Win」になるのか

  • 受け取るより多くを与えても、けして自分の利益を見失わないこと。

  • それを指針に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めること。

  • 相手がテイカーかどうか見極めること。

テイカーとは「Win - Win」の関係を築くことはできません。
テイカーはギバーの自己犠牲が大好きです。
自分の成功のためにギバーから奪えるものはすべて奪います。
時間、知識、労力、人脈・・・。

ギバーは相手がテイカーであるかどうか見抜く力をつけましょう。

そして、相手がテイカーであれば、
  • 3回に2回はギバーであることをやめて、マッチャーとして接する。

  • 3回に1回はギバーとして接する。

ギバーの人がテイカーと接するときは、これくらいの回数でマッチャーとギバーを入れ替えることを本書はオススメしています。

もちろん、テイカーを避けられるものならば、避けましょう。
かかわらないでいられるならば、それが一番です。

テイカーを見抜く方法

本書ではテイカーを見抜く方法としていくつかの例をあげています。

愛想のよさはあてにならない

まず前提として、愛想のよさはあてになりません。
愛想がよく明るいテイカーはふつうにいます。

利益をもたらさない人への態度が悪い

テイカーであれば、部下や同僚など、利益をもたらさない人に対しての態度が悪いです。
一方、目上の人や有力者、権力者に対してこびへつらう。
よい印象を与えようと一生懸命になります。

わたしという主語が多く、私たちとは言わない

自分の評価で頭がいっぱいなので、3人称の代名詞(私たち)より、1人称の代名詞(私)を使うことが多いのです。

SNSのプロフィール写真が実物よりよく見える自分の写真

本書には、テイカーはフェイスブックのプロフィール写真が、ナルシスティックで実物よりよく見える自分の写真を使っていると書かれています。
また、「友だち」がやたらと多く、うわべだけのつながりを作っています。

最後に、ギバー、テイカー、マッチャーそれぞれについて、ちいかわキャラクターと照らし合わせて具体例を見ていきましょう。

ギバーはちいかわとハチワレ

ギバーはちいかわとハチワレだと考えています。
ちいかわもハチワレも相手のために行動することが多いです。
特に見返りも期待していません。
自己犠牲的でもないので、2人とも他者志向的なギバーではないかと考えています。

ちいかわが人のために行動しているということは別記事でもまとめています。

▼参考記事

ちいかわは自分も含めて、ハチワレやうさぎの幸せを願います。
他者志向的な考えが中心にあると思われます。


ちいかわが勉強をがんばる理由は友だちのためです。
人のために自分が努力するというのは、まさに上で書いてあるギバーの行動そのものです。


ハチワレも自分だけでなく、相手のことを思った行動や発言が多くみられます。

 


ちいかわもハチワレも相手のことを思いやるギバーなので、2人の間にはおだやかな時間が流れます。
奪われる心配がないので、安心して相手に与えることができます。

テイカーはモモンガ

テイカーはモモンガだと考えています。

モモンガは愛想はよくありません。

そのぶん、一生懸命かわいこぶろうとします。
ちいかわやほかのキャラクターのかわいいところを真似しようとします。

人から与えられることを期待する発言が多いです。
たとえば、鎧さんの都合も気にせず、「見ろ」とか「ほめろ」とか要求します。

食べ物を奪おうとすることも多いです。
湧きドコロを独り占めしようとすることもあります。

モモンガがテイカーではないかという考察は別記事でまとめています。

▼参考記事

マッチャーはうさぎ

マッチャーはうさぎだと考えています。

うさぎは、ちいかわやハチワレなど友だちに対して与えることが多いです。
ものをあげたり、食べ物をあげたり、湧きドコロを教えてあげたりします。



一方、モモンガに対しては一方的に与えることはせず、お返しを要求します。


モモンガもうさぎを避けようとします。


テイカーと接するときは、うさぎの行動が参考になります。
ギバーの考え方や行動は、ちいかわやハチワレが参考になります。

ちいかわを読むことで、他者志向のギバーを理解し、みなが幸せになるような「ギブアンドテイク」ができる世の中を作っていきましょう!

▼いつも応援ありがとうございます!

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権利表記

ちいかわ ©nagano / chiikawa committee

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