ちいかわと幸せについて考える。利他行動とは?

2024/09/27

ちいかわ 科学的根拠

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ちいかわと幸せについて考える。利他行動とは?




こんにちは。
ちい爺です。

ちいかわ=なんか小さくてかわいいやつ

みんなに愛されて、優しくされて、こういう風になってくらしたい。
ちいかわとは、そんな想いが込められているキャラクターです。

愛されたい
優しくされたい

とはいうものの、ちいかわは受け身で、誰かから愛されたり優しくされたりするのを待っているわけではありません。

書籍もXも網羅している私の感想ですが、ちいかわは自分のためというより、友達や他のキャラクターのために行動していることが多いと感じています。

以下に私の好きなちいかわのエピソードを紹介します。


このエピソードを含む一連のエピソードは、私がちいかわにハマったきっかけとなったとても感動的なお話です。

また、書籍第1巻の巻末には、ちいかわがなぜ草むしり検定に合格したいのか、なぜ報酬を増やしたいのか、その理由が述べられています。

ぜひご覧になってください。

利他行動とは?

  • 自分に何らかのコスト(時間、労力、お金、など)を負いながら、他者に利益を与える行動のこと

  • 自己の利益よりも他者の利益を優先しようとする行動のこと

ちいかわにはこの利他行動が多くみられます
先ほどの「ほめられリボン」だけでありません。

  • 卵の黄身をハチワレにゆずって、自分は白身だけ食べた
  • すき焼きを鎧さんにゆずろうとした
  • 「ちいかぶちゃん」を保護しようとした
  • パジャマパーティーズのライブを手助けした

まだまだありますが、趣旨が逸れてしまうので、別の機会にお話ししたいと思います。

では、この利他行動がちいかわにどのような影響をおよぼしているのかを考えていきたいと思います。
人のために行動して、ちいかわは幸せなのか。
自分を犠牲にして不幸を招いているのか。



この疑問を解決に導くたいへん興味深い論文があります。


本論文では
大学生191名を対象に、
  1. 血縁のある「家族」に対する利他行動の頻度
  2. 普段から付き合いのある「友人、知人」に対する利他行動の頻度
  3. 普段から付き合いのない「他人」に対する利他行動の頻度

  • 主観的幸福感

の関係性を見ています。

利他行動の具体例

利他行動とは具体的にはどのようなものなのか、本論文が参考にしている別の論文にその詳細が述べられています。


ちいかわには家族がいる描写がないため、家族に対する利他行動については省きます。

<友人、知人に対しての利他行動>

  1. 友人や知人の悩みや愚痴を聞いてあげる
  2. 友人の誕生日を祝ってあげる
  3. 友人が行きたい場所につき合って一緒に行く
  4. 気持ちの落ち込んだ友人に電話したり、メールを出したりする
  5. 友人や知人にお菓子や飲み物をあげる
  6. 友人にお金を貸す
  7. 友人や知人が何か落としたとき、拾うのを手伝う

<他人に対する利他行動>

  1. 電車やバスなどで、他人の荷物を網棚にのせてあげる
  2. 知らないお年寄りの重い荷物を持ってあげる
  3. 他人がケガをしたり急病になったとき、介抱したり救急車を呼んだりする
  4. 知らない人が何か探しているときには、こちらから声をかける
  5. 知らない人の自転車が倒れていたとき、起こしてあげる
  6. 道でつまずいたりして転んだ他人を助け起こす
  7. 知らない人に自動販売機や切符売機などの使い方を教えてあげる

主観的幸福感とは?

生活の質や豊かさ、充実度などに関する主観的評価のこと。
英語では、subjective well-being と表記します。

①「全般的にみて、わたしは自分のことを( )であると考えている」
②「わたしは、自分と同年輩の人と比べて、自分を( )であると考えている」
論文②より引用


( )の中に「より不幸な人間」(1点)~「より幸福な人間」(7点)までの7段階で回答する。

③「全般的にみて、非常に幸福な人たちがいます。この人たちは、どんな状況のなかでも、そこで最良のものをみつけて、人生を楽しむ人たちです。あなたは、どの程度、そのような特徴をもっていますか?」
④「この人たちは、うつ状態にあるわけではないのに、はたから考えるよりも、まったく幸せではないようです。あなたは、どの程度、そのような特徴をもっていますか?(逆転項目)」
論文②より引用

 
「まったくない」(1点)~「とてもある」(7点)までの7段階で回答する。

この4問の平均点を、主観的幸福感の点数としています。

結果の解釈

  • 友人、知人に対する利他行動の頻度
  • 他人に対する利他行動の頻度

が、それぞれ主観的幸福感に影響していることがわかりました。

小さな差ですが、友人、知人に対する利他行動の頻度の方が主観的幸福感への影響度は大きいようです。


影響度:
友人、知人に対する利他行動  他人に対する利他行動


そして、それには経済的な貧しさや裕福さは関係なかったと結論付けています。

point

つまり、貧しくとも裕福であろうとも、利他行動は主観的幸福感を高めてくれます。


ちいかわで置き換えますと、
ハチワレやうさぎ、鎧さんといった「ともだち」への利他行動が、ちいかわの幸福感を高めてくれています。

ちいかわも私たちも厳しい世界を生きています。
時に私たちを苦しめる。
ストレスにつぶされそうな時もある。
したくもない労働を強いられる。

そんな世界に生きていても、ちいかわのように相手を思いやった行動は、相手だけではなく自分自身の幸せも高めてくれます。

相手を思いやった行動とはいえ、ちいかわ自身を犠牲にしているわけではありません。
自分ができる範囲で良いのです。
ちいかわの行動から真似できそうなことをひとつ行ってみてはいかがでしょうか?

先ほど説明した友人、知人への利他行動の7番について、気づいた方もいらっしゃるかと思います。
私の好きなエピソードをもう一つ紹介します。

 


「利他行動なんて」とお思いの方も、ちいかわの行動を真似して、友人、知人が落としたものを拾ってあげることから始めてみてはいかがでしょうか。

それがあなた自身の幸せを高めてくれるきっかけになるかもしれません。

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権利表記

ちいかわ ©nagano / chiikawa committee


参考・引用論文


著者:大隅尚広、山根嵩史
タイトル:利他行動が行為者の主観的幸福感に与える影響
掲載雑誌:人間環境学研究 第14巻2号
発行年:2016年

著者:小田亮・他
タイトル:対象別利他行動尺度の作成と妥当性・信頼性の検討
掲載雑誌:心理学研究 第84巻 第1号 28–36ページ
発行年:2013年

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