ちいかわがHSPって聞いたので色々調べていたら怖いこともあると知った話。HSPを自称するときに気をつけたいこと。
ちい爺です。
ちいかわはHSPなんだそうです。
メリット
デメリット
メリット
デメリット
研究報告
メリット
デメリット
デメリット
ちいかわはよく笑うし、よく泣くし、よく驚くし。
すごく敏感なんですよね。
でも、敏感だったらHSPなのかな?
敏感=HSPという図式になっているような気がします。
そこで今回は、HSPって何?っていうところから、ちいかわの性格を考えていきたいと思います。
HSPとは
- 生まれつき「非常に繊細な人」
- 「非常に感受性が強く、敏感な気質をもった人」
という意味で、
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)
頭文字をとって「HSP」と呼ばれています。
多くの人が気にならない些細な音や光、匂いなどの感覚刺激や、様々な感情の刺激に対して、敏感に反応する人を表しています。
HSPは病気ではなく、生まれ持った気質とのこと。
乳幼児期より、ストレスを感じたときに放出されるノルアドレナリンの分泌量が多いと言われています。慢性的にコルチゾール(ストレスホルモン)が多いとも言われています。
病気ではないので、医学的に診断されるわけではありません。
HSPかどうかは自分自身による判断にゆだねられます。
つまり、自称ですね。
HSPを扱った論文は多くなく、研究が少しずつ進んでいる段階です。
ですが、今ある論文はHSPを精神的な健康を害するリスクとして扱っており、ポジティブな側面を扱った論文はほとんどありません。
本来、HSPは良くも悪くも環境の影響を受けやすいという「ニュートラル」な状態です。
ネガティブな面のみを強調するのは、HSPを正しく理解しているとは言えません。
HSPの提唱者
アメリカの心理学者であるエイレン・N・アーロン博士
HSPの頻度
全人口の約15~20%、5人に1人はHSP気質であると考えられている。
しかし、HSPの診断基準があるわけではないので、HSPと非HSPのように厳密に分けられるものではありません。
HSPの抱えやすい悩み
- 周りからの共感を得ることが難しい
- ちょっとした言葉に深く傷つく
- 周りの感情を良く察するために疲れやすい
- 様々な刺激すべてに対して敏感に反応してしまう
- 人混みに行くと、ヘトヘトに疲れる
- 小さな音が気になって仕事に集中できない
- 生きづらさを感じてしまう
- 抑うつ気分を抱きやすい
- 自尊心も低い傾向にある
アーロン博士による4つの特徴「DOES(ダズ)」
アーロン博士は「DOES(ダズ)」という4つの特徴を示しています。
- Depth of Processing/考え方が複雑、深く処理をする
- Overstimulation/過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
- Emotional response and empathy/全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
この4つの特徴のうち、1つでも当てはまらない場合はHSPではないと考えられています。
考え方が複雑、深く処理をする
メリット
- 他の人が通常考えない深さまで考える。
- 複雑なことや細かなことに目を向ける。
- 表面的なことよりも本質的なことを考える傾向にある。
- 仕事の進め方や、物事の順序が分かる。職場で丁寧な仕事ぶりを褒められることが多い。
- 興味関心が自分の内側へ向かう傾向がある。
- 物事を深く考える思索的な性質を持ち、内省的な人が多い。
- 豊かな情感と鋭い感性に恵まれている。
- 本や映画、音楽、絵画などの芸術を愛し、それらに深い感動を覚える。
デメリット
- 情報を読み取りすぎて疲れてしまう。
過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
メリット
- ひといちばい気がつき処理できる。感じすぎた刺激を流すために、ひとりの時間や静かな時間が必要。
- 周りに気を遣うことができる。
デメリット
- 人よりも早く疲労を感じやすい。
- ちょっとした外出でも疲れやすい。
- 楽しいことであっても、刺激を受けすぎて疲れたり、興奮して目がさえて眠れなかったりする。人混みにいる時や、周りにネガティブな感情に巻き込まれている時などにも体力を大きく消耗してしまう。
- 大きな音や光、暑さや寒さ、痛みなどに敏感
研究報告
大河原らが中学生を対象にした調査によると、HSPセルフテストで得点の高かった生徒たちは、
- 学校が楽しいと感じる割合が少ない
- 学校に気軽に話せる友人がいると答える割合が少ない
- 先生や友人の前で自分らしくできていると答える割合が少ない
- ひどく疲れたり、悩んだりすることがあると答える割合が多い
と報告しており、敏感な生徒への支援を提言している。
ただし、これはHSPというラベルの濫用を引き起こすリスクがあります。
例えば発達障害が疑われる子どもにHSPのラベルを貼ることで、本当のニーズを見誤ってしまう恐れがあります。
安易にHSPのラベルを貼ることで、相手のことをわかった気になってしまうのは、相手にとって害にしかなりません。
全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
メリット
- 共感力が強く、他者の意思や気持ちを察しやすい。
- ミラーニューロン(共感を生む働きをすると言われている神経細胞)の活動が活発だと言われている。
- 赤ちゃんや動物の気持ちを察することができる。
デメリット
- 事故や事件のニュース、暴力的な映画などが苦手な傾向にある。
- 周りに落ち込んでいる人がいると、自分の気持ちも沈みやすくなる。
- 周囲の人の悲しみや喜びに深く共感するあまり、過剰に同調してしまい、相手の気分や考えに引きずられやすい。
研究報告
西谷らによると、HSPかどうかと、他人の感情(怒りや悲しみなど)を正しく理解する能力には関係がなかったとのことです。
そのため、共感力は強いものの、相手の感情を正しく認知できているわけではないと推測されている。
些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
メリット
- 光や音、匂い、味、触覚といった外からの刺激に反応することが多いとされる。気づく対象は様々で個人差がある。
- 脳内イメージや記憶などの、自分の中から生まれる刺激に対しても敏感に反応する。
- 危険を察知する力も備えているとされている。
- 鋭い「直観力」を持つ。
- 第六感が働き、ひらめきが強い傾向にある。
デメリット
- 人に見られていたり、間を区切られて急かされたりすると、とたんに緊張して混乱をきたし、頭が働かなくなってしまうことが多々あるとされる。
以上、「DOES」についての説明でした。
同じような内容が重なっているところもありますが、「DOES」を満たしていないとHSPとは言えません。
(その他の特徴)自己否定感が強くなる
自己否定感が強くなることも特徴として挙げられています。
HPS は、対人関係において、あまり相手を責めるようなことはせず、良心的で優しく、相手のことを優先する傾向があるという。その反面、相手のことを気にするあまりに、些細なことでも「自分が悪いのではないか」と自分を責め、悪い方向に考えてしまう傾向もある。
ネガティブ思考が強く、自分に自信がないため、周りからの怒りの標的にされることも多い。
そうした経験を多く重ねてしまうと、自分の本音を隠してしまうことから人との関わりが苦手になってしまう。
では、ちいかわの性格的特徴が上記に当てはまるかどうか考察していきたいと思います。
ちいかわと「DOES」
ちいかわとDepth of Processing/考え方が複雑、深く処理をする
例えば以下のような場面。
ちいかわは謎の棒を前に、積極的に関わろうとはしません。
その結果、ハチワレやうさぎを危機から救うことができました。
ちいかわの思慮深さが表れている良エピソードです。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) September 3, 2020
ちいかわとOverstimulation/過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
ちいかわは他のキャラクターに比べ驚きやすく、敏感さが見て取れます。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) October 6, 2020
ちいかわとEmotional response and empathy/全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
他人が困っている場面でちいかわの共感力がいかんなく発揮されたエピソードがあります。
ハチワレの大切にしているさすまた。
本当は諦めたくないけど、穴から出るには置いていくしかない。
ちいかわはそんなハチワレの気持ちを察し、自分が大変になるにもかかわらず友達のためにいつもなら出ない力を発揮するのでした。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) August 7, 2020
ちいかわとSensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
朝日を浴びているカルメ焼きを見てうっとりするちいかわ。
カルメ焼きをクルクルして楽しむ様子が見られます。カルメ焼きの形のちょっとしたいびつさに興味を引かれていることがわかります。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) July 17, 2020
以上のように、ちいかわの性格はHSPといってもいい傾向にあります。
もし、ちいかわが「生きづらさ」を感じており、「自分はHSPなのかなあ」と考え始めた場合、気をつけなければならない点がいくつかあります。
HSPを自認する場合、気をつけなければならないこと
HSPだという自己理解は正しいか考えて
本来は心理的な支援が必要な人であるにもかかわらず、「これは気質(HSP)だから病気ではないのだ」と自己理解し支援につながれない人が出てくる可能性があります。
自分がHSPかどうかに気持ちが向きすぎている場合、本当のニーズを見落としてしまう危険性があることは頭の片隅に入れておいてください。
HSPの診断や治療、科学的な根拠のない医療を高額で提供するクリニックに気をつけて
HSPは病気ではないので、本来、医師による診断や治療の対象にはなりません。そもそもHSPかどうかを診断する基準がありません。
にもかかわらず、自由診療のもとにHSPの検査や診断、治療行為を展開しているクリニックがあります。
「生きづらさ」を取り上げて、こういった科学的根拠のない医療行為によって、高額な治療費を請求され、何の効果も見られないという被害を受けた人が出てきています。
数日間の講習で「HSP専門カウンセラー」資格を提供する資格ビジネスに気をつけて
カウンセラーは名称独占資格ではないので、だれでも名乗ることができます。
HSPという言葉に乗っかり、専門性が疑われるカウンセリング講座が開講されています。
HSPの人限定をうたうカウンセラー養成講座もあります。
人の心を扱うには高い専門性が求められます。
日本で広く認められている「臨床心理士」や「公認心理師」の資格を得るには長い期間がかかります。
数回、数時間の講座で得られる民間資格で、HSPをターゲットに心の問題を扱うのは、いささかの不安を感じてしまいます。
HSPを自称する人をターゲットにしたカルト団体やマルチ商法の勧誘に気をつけて
HSP=「生きづらい」というレッテルが独り歩きしてしまったために、生きづらさをターゲットに怪しい団体から目をつけられてしまうことがあります。
科学的根拠のない、胎内記憶やテレパシー、霊視などのスピリチュアルと結び付けて近づいてくる場合もあります。
無料カウンセリングやオンライン講座などへ誘導されることもあります。
まとめ
ちいかわは、良くも悪くも周囲の環境の影響を強く受けてしまう傾向にあるようです。
自分がHSPかもって思ったとき、安易にHSPというラベルを貼ってしまうことで本当のニーズを見落としてしまうかもしれません。
また、SNSなどで自分がHSPだと自称している場合、怪しい団体から目をつけられるかもしれません。
HSPかどうかラベルを貼ることより、その人が感じている困りごとを正しく把握できるよう努めることが優先。ちいかわの友達、「ハチワレ」の関わり方にヒントが隠れているかもしれません。
「生きづらさ」をことさら強調するのではなく、本来は良い面も悪い面も持ちうるニュートラルな状態ですので、正しい知識を得ていきましょう。
ちいかわのおかげで、知らなかったことを知ることができたお話でした。
ちいかわ、ありがとう。
参考・引用文献
①
著者:大河原萌加、古池雄治
タイトル:Highly Sensitive Childが学校生活で抱える困難と教員の対応
発行誌:茨城大学教育学部紀要(教育科学)72 号 183~199ページ
発行年:2023年
②
著者:西谷健次、小又琉莉
タイトル:HSP傾向が他者感情の認知に及ぼす影響
発行誌:Sakushin Gakuin University Bulletin No.18
発行年:2024年
③
著者:飯村周平
タイトル:HSPブームの功罪を問う
発行誌:岩波ブックレット No.1074
発行年:2023年
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